★独学、61歳受験生が行政書士試験に合格する法① 模試受けず過去問徹底

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【偏差値が低くても一つの過程】

僕は元々、司法書士試験を目指していた。
09年10月、行政書士試験を受ける娘にそそのかされて勉強を始めた。
『娘が行政書士なら、俺は司法書士を狙おう』と。

 

しかし見通しは甘かったと言うべきだ。
翌年5月初旬、LECの公開模試を受けた。
初めての他流仕合いだったことを考慮しても、結果はひどかった。とにかく、午前と午後の2回の試験で70問ある5肢択一式のうち、はっきり正解が分かったのは1問もなかったのだから。

 

恥ずかしいが結果を公表する。
  ▼ 70問中正解は25問(午前14問、午後11問)
  ▼ 記述式 不動産登記 1/35点、商業登記 12/35点
  ▼ 偏差値 午前 40.9、午後 37.6、全体 38.7
  ▼ 順位 3511人中の2921番

 

がっくりきた。
確かにひどい。精神的な建て直しにほぼ1ヶ月かかった。
しかしそれで絶望したかと言うと、投げ出す気は全くなかった。
成果の出なさ加減に我ながらあきれたが、
『こういう過程はあるんじゃないか』とは思っていたのだ。

 

【どこまでも楽観主義、僕の思考】

ゼロから初めて、右から左にスラスラと法律的思考が身につくはずがない。知識をタップリ詰め込んで、判例を覚え、ケースを自分で考え……、つまり長い熟成の時間が必要で、今はまだ知識を詰め込んでいる段階。
その知識にしても、せいぜいがテキストである。
まだほんの入り口をくぐっただけ。道のりが遠いことは分かっていた。

 

基本、僕は楽観主義なのだ。
根拠のない自信だけは持っている。
いや、違うな。やったことに対しては自信を抱く(これは当然!)
やってないこと、今までやったことと比べてどうかと考える。
それで「可能」と信じれば、『出来るんだろう』と信じる、そういう自信である。

 

時々、歩きながら夢を見た。
全国最高齢を前に「いくつになっても出発できる」と講演している夢。今は何もないけれど、その先には「してやったり」の自分がいる……。
ただし、模擬試験の結果を見て、志望は変えた。司法書士試験は「1年では無理」とはっきり分かったからだ。何年もかけている余裕はない、それでターゲットを行政書士に変えた。

 

【独学だから遠回りはしたかも】

勉強法は、と言えるほどのものはない。
特徴があるとすれば、完全に独学だったことだろうか。受験予備校の存在は知っていたが、講義に掛かる時間がもったいなかった。それに、自分より格段に若い受験生たちと席を並べるのは恥ずかしい。

 

司法書士試験の過去問は、東京リーガルマインド(LEC)のものを買った。解説のDVD付き。全10巻で16万円もした!(授業料に比べれば安い)
ところが、全く歯が立たない(いきなりなんて、無謀である)。
問題の意味さえ分からない(当たり前だ)。

 

この時点でDVDを見ても時間の無駄、と思った。
結局DVDは1つも見なかった。高い買い物だった。
でも、この高い買い物のおかげで「不退転」を貫けたのかもしれない。

 

勘や推理で過去問は当たらないと痛感したので、テキストを買ってきた。入門編、なんなく読める。しかし問題を解く手がかりには全くならない。もう少し詳しいテキスト。これを読了しても同様だった。仕方がない、本格的なテキストを。

 

選んだのは資格の天才・山本浩司さんの本。民法から読み始める……。一見とっつきやすいが、読み進むにつれ理解困難になっていく。分からなくても先に進めと書いてあったので、とにかくしまいまで読んだ。

 

今ならこのテキスト、個性的でクセが強いことが分かる。
しかし当時、バイブルのように読んでいたが、しばしば「概念の壁」にぶつかった。言葉自体、概念そのものが初学者には難解なのだ。つっかえつっかえだから、読み進むのは1時間10ページのペース。何とか10科目(司法書士は科目が多い!)読むのに丸々2ヶ月かかった。

 

ようやく過去問に再チャレンジ。
ここでの衝撃はもっと大きかった。
歯が立たない。テキストを全部読んだのに!!
甘い。その程度でスイスイ解けるものなら誰でも一発合格だ。ここにおいて初めて『この試験、一筋縄でいかない』と実感した。

 

過去問を一通りやるのに3ヶ月くらいかかった。
そういうペースだから、ようやく一順したときには、前に学習した分は記憶のかなた。過去問をやれば力がつくと思っていたが、実感が沸くどころではなかった。

 

覚えたことをアウトプットする、
過去問で知識と思考力を試すことはエネルギーを必要とする。しかし『この作業が一番、記憶を鍛える』ことだけは分かってきた。勘で当たっても何の意味もないし、勘では当たらないようにできている。

 

すべては法律の根拠だ。
条文の記憶、趣旨の理解、判例……
足りないのはそれである。
もっとも、そのことに気づくのは2年目になってからだったのだが。

 

【模試に失敗後、行政書士に志望変更】

そんなこんな、実力も備わっていない時点で模試を受けた。前に書いた2010年5月、LECの司法書士試験公開模試である。結果は先ほど書いた通り。方向転換せざるを得なかった。

 

行政書士に目標を変えてからは、まずLECのテキストを買った。
よくまとまっており、量も大して多くはない。
行政書士の科目のうち、民法、会社法、憲法は司法書士とかぶる。
くみしやすし、と思ったのは自分の甘さである。

 

試しに民法の行政書士試験の過去問をやってみた。
正答率が低い! 
んっ? 『俺は何をやってきたんだ……』
行政書士試験も合格率数%の難関試験だ、簡単なわけがなかった。

 

司法書士試験の1次合格ラインは民法で80~85%。
対する行政書士試験では60%が合格ラインである。
その分、問題は難しくて当然と見るべきなのだ。

 

それでも『何とか受かるのでは』と考えたのは希望的観測と言うもの。1年目不合格となったのは、明確に力不足であった。

 

【今度は六法全書をよく読んだ】

1年目、僕はずいぶん焦っていたようだ。
のどから手が出るほど“勲章”が欲しかった。具体的成果を求めていたのだ。60歳という年齢のこともあるが、肩書きで生きてきた人間だから「何もない状態」は不安でたまらず、とにかく結果を求めたわけだった。

 

先を急ぐから、『省ける』と思えば覚えようとしない。
典型が「六法全書」だ。
考えてみれば1年目、テキストや過去問をやりながら、ほとんど「六法」には目を通していない。

 

テキスト、過去問を繰り返しやってきたが、何かあいまいさがつきまとった。試験に失敗し、あらためて法律の条文を読みはじめて気が付いた。
『答えは全部、条文に書いてある!』
民法などその典型。5肢択一の答えは条文から明快に引き出せる。

 

そして判例。
過去問レベルの問題は、判例を知っていればたいてい当てることができる。この辺のことは、予備校に通っていれば“常識”だったと思う。遅ればせながら「行政書士受験六法」を購入し、読みふけった。

 

他の科目も同じ。
行政法などは、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法があり、テキストを読めば読むほど混乱してくる。条文が紛らわしいのだ。
この歳だと、とても条文1字1句は記憶できない。
しかし六法で、法律の最初から最後まで読み通すと、なぜその条文があるのか、文言がなぜそうなっているのかが分かってくる。こんがらがっていたモヤが晴れてくるような気がした。

 

そしてあらためて民法の「山本」テキストを読んでみる。
今度はスッキリ理解できる個所が多い。
それでもあいまいさは残るのだが、何度も何度も読むと『こういうことか…』が伝わってくる。

 

試験に落ちてから、自分でノートをつくり始めた。紙は使わない。A4サイズのワープロにどんどん打ち込む。右手の中指が痛くなるほどキーボードを触った(僕はいまだに1本指入力だが、考える速度で打つことはできる!)重要と思われる個所は自分で要約し、合わせて関連条文をネットからコピペ、枠に囲んだ。民法など結局、A4用紙150ページ余りにもなり「まとめ」にならなかった。
ノートは全科目つくった。

 

ノートもあまりに膨大になると1日、2日では読みきれない。
そこで試験3ヶ月前には、新たに要約版もまとめた。

 

【直前模試型の問題集にもバラツキ】

勉強をしていて何が一番力を付けてくれるかと言えば、それは問題集である。
問題集の典型は過去問だ。
実際の試験に出たものだから、まさに「試験レベル」。
これが解けなければ、話にならない。

 

初めての過去問に向かうときには緊張する。
なかなか当たらない。それが実力だ。
初出の問題はどれも難しい(と感じる)。
しかし、2度目となるかなり当たってしまう。
回答の筋を覚えていなくても、「答えがこれ」は覚えているらしい。
この場合、当たっても意味はない。

 

そこで試験日の直前には、1年目も2年目も、
「直前模試」という問題集を何種類も買い込み、徹底的にやった。
60%超えた、超えないで一喜一憂……。

 

受験予備校主催の「公開模試」は受けるべきだという人が多い。しかし僕は前回のトラウマがあるので、避けて近づかなかった。

 

と言う訳で直前型の問題集をいくつも買い込み、1年目は遮二無二やった。しかし2年目、問題集をやっていてはっきり問題集の優劣が分かってきた。先に書いたように、トータル65~70%は取れる力があると思っていた。目安は法令5肢択一問題40問中、28問取れるかどうか。しかし問題集によって、極端に取れないものが出てきた。カリカリした。
6割の24問を割る問題集もある。

 

『おやっ』と思った。問題にバラつきがあっても、例えば、民法が悪いときは行政法で稼げ、法令問題が不調なときは一般知識が楽である、とか……、
トータルすると、何となく収まるべき点数に収まる。
それが「まっとうな問題集」と言うべきだと思うが……。

 

ところが箸にも棒にもかからない問題集があるのである。
法令も難しく、一般知識もサディスティックに難しい。
『これは俺の実力不足なのか?』1年目ならそう思ったろう。しかし今回は『問題集の出来が悪い』と決め付け、気にしないことにした。

 

そこへ行くと、受験予備校が作った問題集はバランスが良かった。1年間、半端でないくらい問題を作っているので、さすがである。
で、決論。
たまたま購入した直前問題集の結果が悪くても、パニックに陥る必要はない。
(つづく)

 

※このブログは2012/2/8、行政書士試験に合格して8日目に書いたものを再掲、文章を少し手直ししています(日付などは当時のままです)。

 

★独学、61歳受験生が行政書士試験に合格する法② 悪条件に慣れる!

私の原点です―――
★人生に「遅すぎ」なんてなし、61歳の挑戦で心にルネッサンス!

 

相続対策の総合プロデューサー 石川秀樹ジャーナリスト行政書士)>

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ABOUTこの記事をかいた人

遺言、相続対策と家族信託の専門家です。特に最近は家族や事業を守るための民事信託への関心を強めています。遺言書や成年後見といった「民法」の法律体系の下では解決できない事案を、信託を使えば答えを導き出すことができるからです。 40年間、ジャーナリストでした。去る人、承継する人の想いがよりよくかみ合うようにお手伝いしていきます。