★家族が成年後見人になれない15の理由

静岡県家族信託協会の石川秀樹です。
みなさん、ご存じでしょうか。
成年後見制度を利用する場合、決して自分が成年後見人になれるなどと考えてはいけません。

この質問者も「成年後見人は家族がなるものだ」と思っていたおひとり。
全然違います。
平成30年の調査結果はまだ出ていませんが、「家族後見人」は25%くらいだと思われます。
4人のうち3人は、法曹業界のプロか福祉団体が選任されます。

★相談の詳しい内容と回答は新サイトで。

2000年の民法改正で「成年後見制度」は誕生しましたが、制度発足当時、後見人として
当てにしていたのは、間違いなく「家族・親族」でした。
それがどうしてこんなことになってしまったのか。

家族は本人(被後見人)の財産を誤魔化すから、というのが理由のようですが、
言わせてもらえば、
「後見制度支援信託」が創設され、大きなお金は家庭裁判所の許可がなければ動かせません。
信託を家族後見人が断れば、罰であるかのように信託監督人が付けられる(無論、有料です)。
ここまで家族後見人を締め付けているなら、いい加減に、後見と言う業務を家族に戻してあげればいい、
と私は思いますが。

それはともかく、質問者の問いに答えなければなりません。
「家族が後見人等になれない理由(わけ)」を、家庭裁判所関係サイトで見つけました。
(なかなか検索にかからず、苦労しましたが)

まず、①家族・親族間に対立がある場合は、家族後見人は敬遠されます。
②としては、これが最も明解ですが、「本人の流動資産の額」です。
資産が多い場合、はじめからプロたちに回す倣いになっているようです。
③不動産売買が予定されている場合、結果的に流動資産が増えますから、家族はなれません。
「保険金受取」も同じ理由で家族は不可。
④本人が収益不動産を持っている場合も、プロたちの出番のようです。

15の理由の中に「家族後見人が信頼できないから」とは書いてありません。
書いてないけれども、以上の理由を見れば、家庭裁判所およびその周辺にいる人たちは、
およそ「家族」が嫌いなのでしょう。
これは皮肉な物言いをわざとしているわけですが、
そもそも、家族を信頼しないでこの成年後見制度を作った、などということは考えられませんよ!

法が当初あてにしていた「家族」をまるで”仮想敵”のように後見制度から締め出そうとしている、
今の法運用は、どこか根本的に間違っているように思えますがね。
たまにはこういう声にも耳を傾けてくれませんか?

成年後見制度は、人間の善意をあてにし、「本人の残存能力をいかして人間らしく生きてもらう」という高揚した精神でスタートしたんです。
法の精神は素晴らしい。
だからこの制度は、弱者の福祉を向上させる意味のある改革だったはず。
もう一度、原点に戻してくれませんかねぇ。

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静岡県家族信託協会 石川秀樹

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石川 秀樹

遺言、相続対策と家族信託の専門家です。特に最近は家族や事業を守るための民事信託への関心を強めています。遺言書や成年後見といった「民法」の法律体系の下では解決できない事案を、信託を使えば答えを導き出すことができるからです。
40年間、ジャーナリストでした。去る人、承継する人の想いがよりよくかみ合うようにお手伝いしていきます。

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★筆者のプロフィール

俺丸200

石川秀樹

1950年生。ジャーナリストです。相続対策家(行政書士)。小さな出版社の社長でもあります。何を書いてもユニーク。考え方がまともなだけなんですが。このブログは遺言相続、家族信託、それと老後のあれこれについてが中心。

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