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この記事が突然バズっていることに気がついた。
昨今の高齢者の問題をわしづかみして、大きな問題を提起をしている。
これほど老人が多くなり(かく言う私も68歳、高齢者だ)
老人特有の問題が出来(しゅったい)しているのに、社会の鈍感さはどうだ。
高齢者の4人に1人と言われているのだが……、
現在の日本で認知症になったら、ほぼ、救いがない。
成年後見という理不尽な制度の危険なことを、私は何度か論じてきた。
しかし1年3か月も前に取り上げたこの記事、認知症老人のお話ではない。
ごく普通のお年寄りに今、起きている、小さな、でも悔しい”出来事”のことである。
かいつまんで言えば、高齢者がNHK受信を解約しようと電話しても、音声応答で跳ね返されてしまうというお話だ。
NHKだけではない、ケータイでも通販でも官公庁でも、人手を削ってこの方式を採っている会社や組織が実に多い。
実際に電話してみて、NHKのは本当にひどかった。
それで社会に警鐘を鳴らそうとした。
と言っても1日のアクセス1000程度の私のブログでは「声高」とはならず、蟷螂之斧(とうろうのおの)みたいなものだった。
カマキリが前脚を振り上げたところで、人間様には痛くもかゆくもない。
でも、たまさかこのブログに遭遇した人は、うわさしてくれないか?
「年寄りは、電話の音声応答は聴き分けられないんだって」と。
認知症になる人は多く見積もっても4人に1人か、3人に1人くらいだ。
しかし私たちは、全員、歳を取る。
歳を取る、ということは不自由になるということである。
体もそうだが、頭だってそうだ。
ファミレスに行って、マニュアルを早口にまくしたてるバイトさんの言葉が私には機械のように聞こえ、1回では頭に入ってこない。
能の瞬発力、反応時間は若いころに比べ数段も落ちている。
残念ながら。
人手不足の時代だ。
電話の応答なんかに人を避けるか、と思うかもしれない。
どうせ解約じゃないか、不親切だってかまわない。
そう思うかも知れないが、経営者はぜひ聞いてもらいたい。
問い合わせ電話をして、最初に人の声が聞ければ私はホッとする。
『あたたかい会社だな』と、ただそれだけのことで思う。
この思いは、いつか巡り巡って御社に返ってくるかもしれない。
そういうことを想像できない会社は、いつか退場していくだろう。
超高齢社会である。
年寄りの気持ちが分からない会社は生き残れない。
節約節約で、人を削ってやまない奇妙な合理を通す会社はいつかしっぺ返しを食らうだろう。
電話に人手をかけるはバカですか?
どうぞ老人の気持ちに寄り添ってほしい。
人間の肉声のことをもう一度見直すこと。
本気に、まじめに考え直してほしい
(ジャーナリスト 石川秀樹)