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★「妻に全財産を相続させる」再び! コレは普通のお宅の新常識。

「妻に全財産」再び

 

永年連れ添った配偶者に報いるために、<らくらく文例1>として私は「妻に全財産を相続させる」を選びました。

★妻に全財産を相続させる”魔法の1行” らくらく文例1

この記事は今も多くの人が読みに来てくれますが、実は「肝心なことを書いてなかったなあ」と今にして思うのです。

 

■妻は優遇されているから安心か⁈

らくらく文例1はこれです。
きわめてシンプル。本当に1行です。

 

遺言書

 遺言者静岡太郎は、妻静岡花子に私の全財産を相続させる

 平成○○年○○月○○日                  
静岡県静岡市○○区○○町○丁目○番○号       
遺言者  静岡太郎 ㊞ 

 

ただ8か月前にこの記事を書いた時に私の念頭にあったのは、「子どもがいないご夫婦は必ずこの遺言を書いてほしい」ということでした。
そう考えた理由は[法定相続人]と[法定相続分]。
法定相続人には順位があります。
配偶者は常に相続人。
それを前提にした上で、第1順位は子、第2は被相続人の親、そして第3は被相続人の兄弟姉妹(奥さんから見れば”こじゅうと”)です。

 

日本の相続法である「民法(昭和22年以降の新民法)」のおもしろさは、まさに”戦後民主主義”を地で行くように<相続に”核家族主義”を取り入れている!>ところです。
あなたが夫だとして、あなたに子がいる限り、あなたが亡くなった時の遺産は100%、核家族内にとどまります。

 

法定相続人とその順位

日本の相続は「核家族主義」です。あなたに子がいるかいないかで相続は一変します

 

つまり第1順位の「子」と「妻」の分け合いになるわけです。
子がいないと初めて第2順位の相続人、あなたの親が出てきます。
親の取り分は少なくなって遺産の3分の1。残りは妻のもの。
親がすでに亡くなっていると、今度は第3順位、あなたの兄弟姉妹が出てきます。
取り分はもっと少なくなって、遺産の4分の1。残りはもちろん妻。

 

このように書いていくと、相続において「妻」(配偶者)は優遇されているように見えます。
どんな場合でも相続人の筆頭であり、取り分も多い。
税法上も恵まれていて、法定相続分をもらうだけなら100億円を相続しても非課税。
1億6000万円以下の遺産ならその取り分がいかに多くなっても(だから「全部」でもいい)相続税ゼロ。

 

その上に私は、間違っても夫の親や兄弟姉妹に遺産を取られないように「全財産を相続させる」という遺言書を書いてもらいなさい、と強くすすめたのです。

 

■最強のライバルは「子」だった!

まだ、足りませんでした!
親より、夫の兄弟姉妹より(一家の相続における)”最強のライバル”がいたんです。
他なりません、あなたの子どもでした・・・・。

 

今、あなた亡き後、あなたの奥さんの老後を脅かす人がいるとしたら、それは子どもです。
うかつにもイメージをもっていなかったのですが、今の相続は昔とは大いに変わっています。
「子」の意味は15や20歳の青年ではありません。
老々相続の時代なんです!

 

相続発生の中心年齢が今や80代半ばから後半!
そのとき「子」はいくつになっていますか?
60代でも不思議ではないんです。
30代、40代の子育て世代の娘や息子ではない。
立派な大人、というか「高齢者」に限りなく近い年代の人たちです。

 

今の私は66歳で、まだ「子」の立場。
両親は共に90歳ながら、わが家の相続はまだ発生していません。

 

■自宅を法定相続できますか?

もちろん世の中、老々相続ばかりではありません。
昔のように未成年の子を遺して旅立つ相続もあるでしょう。
70歳前後で亡くなれば、60代後半の奥さんの老後はまさに心配。
そんなこんなを考えると、奥さんの老後の安全と安心を考えるなら、配偶者の相続分を脅かす存在は(子のない夫婦の)親や夫の兄弟姉妹ばかりではない。
「子」もまた大きな”脅威”なのだと気がつきました。

 

相続税を払わなければならない家庭は、昨年からの基礎控除額4割削減により「倍増する」「10%に届く」と言われていますが、それでも大半は相続税を払わなくても済む世帯だろうと思います。
そういうお宅こそ「妻に全財産を相続させる」という遺言を書いてもらいたいんです!!

 

どんな財産がありますか? 自分の家のことを考えてください。
マイホームが一番大きな財産ではありませんか?
現金や預貯金は多いですか?(それほどではないのでは?)
生命保険があるから大丈夫?(これも多数派ではないでしょう)

 

こういう財産を「法定相続分」で分けたらどうなるのでしょう。
妻の相続分は2分の1、子も2分の1。
老々相続で「子も年金暮らしが近くておカネがほしい」ですって?
だからと言って、お母さんの懐を当てにするんでしょうか。

 

■子に欲を出させてはなりません!

マイホームという大きな財産がある以上、法定相続分通りに分けるなんてことは、はじめから無理です。
お母さんが自宅を当然のように相続すれば、多くのお宅で、それだけで法定相続分を超えてしまうでしょう。
家を相続したって、1円にもなりません(今までと変わらず暮らすだけ)。
「お母さんは半分以上もらったのだから、後の現金や預貯金は私たちのもの」
と、今の相当に高齢化が進んでいる”わが子”は、そのように言い出しかねません。

 

だからこそ夫たるあなたは毅然として「妻に全財産を相続させる」と口でも言い、実際に遺言書も遺してほしいのです。
「お前たち(子)に私の財産が回るのはお母さんが死んだとき、その時まで待ちなさい」と言っておきましょう。
子に欲を出させてはなりません!
ずいぶん偏ったことを私は書いているのでしょうか。

 

先日、民法改正(相続)の中間試案が出されましたが、その冒頭に書かれていたのは「配偶者の居住権」です !!
なぜそんなことがまじめに、喫緊の課題として議論されるのでしょう。
相続発生により、お母さんが子から自宅を追われるという(私にとっては信じられないような)ことが 、実際に数多く起きているからです。

 

世の中、そんな無頼が通るようになっちゃったんですかねぇ。
いまだに信じたくありませんが・・・・・・。
かくいう訳で、「妻に全財産を相続させる」という遺言文例を、あらためて引っ張り出した次第です。

 

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ジャーナリスト石川秀樹相続指南処行政書士

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石川 秀樹

遺言、相続対策と家族信託の専門家です。特に最近は家族や事業を守るための民事信託への関心を強めています。遺言書や成年後見といった「民法」の法律体系の下では解決できない事案を、信託を使えば答えを導き出すことができるからです。
40年間、ジャーナリストでした。去る人、承継する人の想いがよりよくかみ合うようにお手伝いしていきます。

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★筆者のプロフィール

俺丸200

石川秀樹

1950年生。ジャーナリストです。相続対策家(行政書士)。小さな出版社の社長でもあります。何を書いてもユニーク。考え方がまともなだけなんですが。このブログは遺言相続、家族信託、それと老後のあれこれについてが中心。

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